Piano cafe "Scherzando"     ピアノカフェ・スケルツァンド

ピアノ調律スケルツォの喫茶店。 お茶しながら ピアノと音楽の会話でくつろぎませんか。

セミ・オーバーホール  ディアパソン・210E ①  我孫子市N様

今回はディアパソンのグランドピアノです。

 

ピアノメーカー・「ディアパソン」

 

名工・大橋幡岩氏の設計のもと、その第一作がディアパソンというピアノです。
大橋幡岩氏はそれ以前にもホルーゲルというピアノや、

後にはオオハシモデルの製作など、常に高い理念・思想のもと、ピアノ製作に携わっていました。

 

その思想と技術を受け継いだメーカー、「ディアパソン」。

”210-E”という名のとおり、サイズが210センチという、グランドピアノにしても大柄です。

 

ちなみによく見かけるグランドピアノは、たいてい180センチ。

それより30センチというと

 

GPでも大柄で、しかも象牙鍵盤のピアノを作業させていただきます。

 

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稀にあることなんですが、

ピアノを購入した数十年前は空き地だったお隣に住宅が建ったり、

道が狭くなって運送用のトラックが入らなくなったり、

ご自宅の一部を改築があったりなど、環境が変わったためにピアノを家からだすことが不可能になっている…ということがあります。

 

同様に、お届け先のお家にもすんなり入るかという問題。

 

グランドピアノは恐らく家財道具でも一番大きなものでしょうから、移動は大変です。

 なので、ピアノ運送の社長と搬出・搬入ができるか下見にお伺いしました。

多少難航しそうですが、さすがはピアノ運送一筋の社長!
搬出・搬入を請け負ってくれまして、見事に工房まで運びいれてくれました!

 

さてさて、続きは次回へ!

セミ・オーバーホール  ヤマハ・UX1 ②  流山市I様

前回からの続きです。

 

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 ピアノを倒しての作業。

やはり角度を変えてみると、きれいにしたつもりでも磨き残しがよくわかります。

 

横にしたところで塗装面を再度みがきます。

 

↓  チューニングピン。 本来はきれいな鍍金ピン。

このチューニングピンどうしで叩くときれいな鈴の音のように響きます。

 

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きれいに磨きあがりました!

でも写真写りがよくない…( ノД`)…

 

まあ、そんなことはさておき、マフラーフェルトや鍵盤押さえのフェルト張替えです。

 

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  ひととおり磨き修理を終えて、

ここからが調律師としての真骨頂!

整調と調律でございます。

 

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最近、お預かりして作業を終えたピアノ、

これがどういうわけか出て行かず溜まってしまいました。

作業スペースが狭まっている! …Σ(゚д゚;)  !? 

 

 

とまぁうれしい悲鳴でもありますが、

出荷まえの再確認が気になって気になってしかたありません。

再度チェックをすると、必ず調整した箇所の狂いが気になり始め、気付けば調律しなおしたりしております。

 

そんなピアノに囲まれて深夜。

弾き比べをさせていただきました。

 

同じように仕上げたつもりでも、静まり返った真夜中に弾き比べてみると、やはり一台一台の違いがよーくわかります。

 

お客様のピアノを勝手に弾いて…

というか、弾き成らすことも大事な作業で…

 

なにを書いているのかよくわからなくなっちゃいましたが、

とにかく私にとって珠玉の時間です。

 

 

 

 

 

 

セミ・オーバーホール  ヤマハ・UX1 ①  流山市I様

ここのところ忙しさにかまけ、作業をアップロードしていなかった…。
I様、お待たせしてほんとうにすみません。

昨今はというと…近隣の市のイベントの調律をお任せいただき、そんなこんなで奔走しておりました。

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 街に音楽があふれ、そんな活気ある中、ささやかながらお手伝いできたというのは調律師冥利につきるというものです。

 

さてさて、お預かりしているUX1のセミ・オーバーホールです。

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いつもと違い、作業途中からの写真でございます。

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セミ・オーバーホール  ヤマハ・U3H ④  東大和市T様

f:id:scherzo_piano_tuning:20151008090543j:plainすっかり秋めいてきました。

 

猛暑の夏から、天候不良が続き、残暑をかんじる間もなかった気がします。

 

作業のあいま、ふと表にでると、木の枝にトンボも休憩しておりましたので写真に撮りました。

 

 

 

さてさて、お預かりしたU3H。

 

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 一通り、整調・調律を終え、気になるところを整音をいたしました。とりあえず終了!

 

あとはお届け前・出荷前にもう一度細かくチェックをいたします。

 

 それと……

 

 

 

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ピアノと一緒にお預かりしたイス。 

背もたれがあり、座面の上下が片手で容易にできるこの「トムソン椅子」。年季がはいってます!

 

お客様はお買い替えをご検討されましたが、

どうせ処分するのなら、どこまで直るか試してからにしよっかなぁ…、

などと思ってたら体が先に動いてました~。   塗装と修理です。

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 スプレーガンで塗料を噴く。

ガンというのは円状ではなく、線状に噴射します。

なので、

ー に噴霧するなら 上下方向に

| に噴霧するなら 左右方向に 

均等に噴いていくことで面状にきれいに塗装されていきます。

 

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が、間違って、ー方向を⇔に噴いてしまうと、液ダレするほど部分的にたっぷり噴き付けてしまいます。

 

それがこの状態。

あちゃー ( ノД`)… 

イスの脚みたいに縦横のものを噴くとよくやる失敗です。

 

 

みっともない液ダレ。

下手にふき取ろうとすればすべてが台無し。

これが塗装の難しいところですが、これをどう直すかというと…

 

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何日か寝かせ、塗装が完全に乾いた後、

 マスキングテープを貼り、その上からあて木で出っ張った塗装の凹凸を削ります。

 

そのあとコンパウンドで磨くという寸法でございまする~。

 

 

 

 

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イスもピアノの大事な一部。

今回はイスの塗装もしてみました。

 

これにて一旦終了。 

お届けの日までどうぞ楽しみにお待ち下さいませ。

 

 

セミ・オーバーホール  ヤマハ・U3H ③  東大和市T様  

先回からの続きです。

 

ごらんくださいませ。

このマフラーフェルト。

 

弦を打つハンマーフェルトの間に暖簾のようになっているのが、

アップライトピアノの真ん中の弱音ペダル。

 

踏んでロックしたら、弦とハンマーの間にこれが下がり、弱音させる構造です。

 

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 虫喰いではありません。

よく写真を見ていただくとわかるのですが、敗れているところ、四角く破れるのです。

 

夜にこの弱音ペダルを使って練習に励まれると、このフェルトがボロボロになります。

その割にハンマー自体の弦溝はそれほど深くない。

夜にしか弾けない中、一生懸命練習なさっていたのでしょうね。

 

以前に調律をお任せいただいたのですが、

その際、『次高音あたり一箇所、弱音が利かない』とおっしゃってました。

 

工具鞄に入れてるイスの足に張るフェルト、

といってもキーカバーを切って両面テープを貼っただけのものですが、これがけっこう重宝ものなんです。

 

本来とは違う使い方ではありますが、当時はこれで対処いたしました。

…しっかし (´Д`;)・・・

…すっかり忘れていました。 確かに弱音はしますけど、あらためてこうして写真で撮るとなにやら恥ずかしい…

 

速攻で交換!

 

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 この作業をするときってなぜだか心落ち着きます。

 

きまって夜だし、一通りのクリーニング・修理の終了でもあるからです!

 

 

 

 

 

 

 

順序が逆ですが、日中は、アクションの整備+サイレント機能の取付でございました!

 

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セミ・オーバーホール  ヤマハ・U3H ②  東大和市T様  

錆落し・埃落し&外装磨き。

 

まず、ピアノをばらす前にざっと外装の磨き上げをします。

ざっとといってもそれなりに仕上げるつもりでやるのですが、

 

ピアノを横にすると、おどろくほど磨き残しがわかります。

なので、弦磨きの際に妻土台のあたりも再度バフがけします!

 

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 ↓ 外した上前パネル

 

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こうしてみるときれいに見えますが…

 

 

 

 

 

 

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 写真だとわかりづらいのですが、ちょいちょいと小傷が目立ちます。

中目 → 細目 → 縦バフに面バフ…

 

そうやって研磨していくと…

 

 

 

 

仕上がりは…

 

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きれいなピアノブラックの復活です。

写っているのは強盗ではなく、作業者(私)でございまーす。

 ボディや他のパーツもそうやって磨き上げていくのでございます!

 

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さて、一通り磨き終えて次のステップ。

鍵盤とアクションです。

 

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  ↑ 左は鍵盤小口を剝がした図。

右の写真、クリックして拡大するとわかりますが、鍵盤表面がゆず肌になるほどツメの傷跡があります。

こういうのをみると、よく練習なさったんだなぁ、などと想像します。

 

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鍵盤の傷がけっこう深かいです。

これをバフグラインダーだけで磨きぬこうとすると波うったりしてしまいます。

 

なので下地づくり。

耐水ペーパーで一個ずつ研ぐことにしました。 

 

 

 

 そんなこんなで本日はここまで。

中途半端で作業を終えてしまったけど、張り替えた小口の削りおとしと上面研磨・側面の汚れ落しはまた次回。

焦るとロクなことがありません。

 

次回につづきます。

 

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セミ・オーバーホール  ヤマハ・U3H ①  東大和市T様  

秋の晴天の日です。

猛暑から9月にはいって悪天候つづき。

残暑日がなかったけど、天候に恵まれた連休ですね。

 

そんな中、ピアノ調律スケルツォはがんばっております!

 

このたびお預かりしたピアノ(YAMAHA・U3H)、

調律でお世話になっているお客様からのご依頼です。

ご熱心にピアノの練習をされるため、なかなかピアノを預けるタイミングがなかったのですが、この秋口に時間をつくってくださり、ピアノのセミ・オーバーホールをお任せくださいました。

 

お任せくださり、本当にうれしいかぎりです。

 

私事ですが、社会人となり一人暮らしをはじめたとき、どうにもピアノが欲しくなり中古のU3Hを買いました。 当時は高かったサイレント機能を組みこみ、夜な夜な練習していたものです。

 

そんな懐かしさもあいまって、気合がはいります!

 

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深い傷こそないものの、よくお弾きになるだけあって消耗している箇所が多く見受けられます。けれど作業台数を多くこなしているピアノでもあります。。

 

自信とやりがいがあります。

 

1970年代のものなのに、未だ消耗箇所さえ修復すればなんの遜色もなくきれいに響くというのはすばらしいことですね。

 

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背面の音響板の清掃。

ハンディクリーナーがすぐにまんぱんになるほど埃が詰まってます。

たいていのピアノはこうです。

 

調律の修行時代に思い知ったこと。

それは立つ位置によって音の響きがちがうということでした。

 

自分が調律しているとき聴こえない倍音の響きが、人が調律しているピアノの背面側からだとほんとよく聴こえるのです。

いつしかそれが背面にたたなくても少しは聴こえるようになり、

また、調律の出来栄えも自身で演奏をしたときに、その良し悪しがわかるようになりました。

 

なので、まことにおこがましいようですが、ピアノを弾くにあたって、

こうした響きを巧みに曲にのせることが「上手い演奏」だと思うのです。

難易度が高い曲を弾きこなせることだけが「上手」ではないはずです。

 

なんて、話が脱線してしまいました~。

 

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全体的にくすむ外装。

バフがけで表面を研磨します。

 

これがどう仕上がっていくのか。  T様、楽しみにお待ちくださいね!

 

※ ブログのアップが遅くて本当にすみません。

この作業自体は中旬より取り組んでおりますので何卒ご了承ください。