柏市のK様。
お待たせしました!
今回にて、いよいよご実家からお運びになったピアノの完成です。
くどいようですが、この度の作業は
特別どこが故障してる、というわけではなく、湿気の影響を受けたことでその改善のために風通しや天候を選んでじっくり作業した、という印象が強くあります。
寝かせたアクションの図。
よくご質問を受けることですが、
「湿気がだめならピアノは乾燥させるほどいいの? 」の問いに対して、答えは「No!」。
ピアノは厳選された木材で構成されています。
これが過乾燥気味のところにずっと置いておくと、木材が痩せ、ネジ穴もゆるくなりますし、最悪な場合、「割れ」を起こしてしまいます。
また、湿度が高すぎると木材の含水率があがり、打ち込んだ金属パーツの錆などの影響や、またカビなど雑菌が発生し不衛生な状況に陥りやすく、なによりピアノの演奏上、タッチの不具合を起こしやすくなります。
しかし、そこに気を付けてさえいれば、多少うるおいのあるお部屋のほうが、過乾燥にさらされているよりは好ましいように考えます。
伐採してから天然乾燥、そして人工乾燥という工程を何年か経て、ようやくピアノ用の木材として加工され、 音響板やピン板など柾目という贅沢な製材を豊富に使用しているので、ピアノをお持ちの皆様、そのあたり気を使って大事にしてくださいませ。
ピアノ調律スケルツォはお客様ごとに適切なアドバイスをさせていただいております。
と、すこし文章がながくなってしまいましたネ。
スティックが完治!
それを確認の後、フェルトハンマーの整形(ファイリング)を行いました。
一気に作業をしたため、整調・調律の写真がなくてごめんなさい。
ただし、これ!
結構音律がさがっており、
ドレミファソラシドー が、 しどれみふぁそらし~
と、ほぼ半音下がっちゃってました。
49A (下から数えて49番目のラ) がほぼ430Hz。
思い切って447Hzで粗い調律で音を上げると、
ほぼほぼ442Hzに落ち着いた状態となり、今度は精密な調律を施しました。
新しいマフラーフェルトに張替え、長蝶番も研磨し、完成!
K様、長らくお待たせしました。
親子2代でピアノをお使いになるって素敵なことですよね。
楽しくご上達されることを願っております。
御納品後の調律、どうぞよろしくお願いいたします。