Piano cafe "Scherzando"     ピアノカフェ・スケルツァンド

ピアノ調律スケルツォの喫茶店。 お茶しながら ピアノと音楽の会話でくつろぎませんか。

セミ・オーバーホール + サイレントユニット取付  YAMAHA U30BL ②  柏市Y様

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前回からの続き。

ピアノ本体のクリーニングの次は内部の作業です。

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フェルトハンマーの状態

アクションを外して寝かせ、まずはハンマーの状態を確認。

弦溝がしっかりついており、ちょっとずれて打弦し続けたせいで弦溝の位置が微妙に左右ずれています(上右写真・4つあるハンマーのうち、一番左は弦溝が完全に右に寄っています)。

まずはこれを綺麗に整形したいとおもいます。

 

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ハンマーのファイリングとアクションの整備
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ファイリングのほか、ネジのましじめやスプリング調整等をおこないました。

普段、調律におお伺いした先のピアノが、アクションの調子が悪かったり、ファイリングが必要な場合、このアクションだけ持ち帰って作業させていただくこともあります。

 

いつもこの作業のときは、ブライドルテープやフレンジコードの張替えを同時に行うのですが、この度のピアノは劣化が少なくその必要がありませんでした。

私にしては珍しいこと。

 

さて次いで鍵盤の上面研磨の作業。

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白鍵上面・小口の研磨ときわ剃り

この作業、とても埃が舞い散るためとてもピアノの横で作業ができません。

なのでいっつも研磨機を表に出してやってます。

天気が良くてなにより。  作業がはかどります。

それと写真にはありませんが、きわ剃りといって鍵盤の側面をペーパー掛けして汚れを落とし、またなめらかにします。 これをやると綺麗になるばかりではなく弾き心地がよくなります。

 

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今回はいったんここまで。

次回は整調作業に入ります。

 

 

 

 

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セミ・オーバーホール + サイレントユニット取付  YAMAHA U30BL ①  柏市Y様

気づけば9月も下旬。

早いですね。 

空気も澄んで心地よい日がつづきます。  作業していて楽ですね~。

 

さて、この度は柏市Y様より御依頼いただきましたYAMAHA・U30BLの作業になります。

御新居への御引越しに伴い、ご実家のピアノを搬入する前にクリーニングとサイレントユニットの取付の御依頼を頂戴しました。

それもひと季節前の初夏のことでしたが、KORG社製のサイレントユニットの生産が半導体不足のため停止してしまい、そのためにY様の作業は随分遅れてしまいました。

 

実はY様以外からも2件、KORGのサイレントユニット取付の御依頼があったのですが、入荷の目途が立たず、とうとうキャンセルされてしまいましたが、

Y様より、「事情が事情だし、しょうがありませんよね。 急ぎませんのでゆっくり作業なさってください」とお気遣いの言葉を頂戴し、申し訳ないやらうれしいやらで…。

そこで提案として、ずっとKORG製サイレントユニットを推してきたピアノ調律スケルツォの本位ではなかったのですが、低価格の海外製のサイレントユニットか、高額だけど高性能の純正サイレントユニットをご紹介させていただき、 純正サイレントユニットを取り付ける運びとなりました。

 

気持ちを入れて作業させていただきますからね!

 

 

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写真はクリックすると拡大されます。

比較的きれいな状態ではありますが、背面などさすがに埃が溜まってました。

 

 

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いつものやり方ですが、まずはピアノを分解する前に外装の埃を刷毛と掃除機で払い、そのあとに濡布巾で付着した汚れを取り除きます。

それからパネル類、アクション、鍵盤を外し、掻くパーツ各々清掃していきます。

 

 

 

 

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しかしこのピアノ、前に作業された調律師さんがちゃんと鍵盤の下まで清掃されていたおかげでピアノの中がとてもきれいでした。 これは珍しい。

 

 

 

 

 

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ピアノを倒しての作業。

掃除して、弦、ピンといった金属パーツをサンドラバーやスチールウールで磨き、錆を落とします。で、また掃除。これを何回か繰り返します。

 

このとき、エアーガンを使うと埃が舞い散りますがピアノの中はほんときれいになります。 また、サイレントユニットという電子機器を組み入れるので鉄粉の埃など最悪。 念入りにお掃除しました。 こうして本体の内部清掃を終え、次は外装の磨き上げ。

掃除とか磨きというのは、終わった! とおもっても角度を変えてみると思わぬやり残しが多くあるものです。なので手間ですが横にして縦にして作業すると綺麗に仕上がります。

 

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天屋根の写真です。長蝶番がちょうど蛍光灯の下にくるようピアノを置いて撮影しました。 長蝶番の左側が研磨前、右が研磨した写真となります。 これ肉眼だとよくわかるのですが写真だとわかりづらい…、よかったらクリックして拡大写真でご覧ください。

 

そんなこんなで外装を磨き上げ、次回はアクション・鍵盤の作業となります。

サイレントの入荷が月末予定なのでそれまでにしっかり仕上げます!

 

次回に続きます。

 

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ピアノの整調・整音の作業に行ってきました。

気づけば9月も半ば…。

月が替わって雨も多く、涼しくなったかなぁと思いきや昨日はまた暑さが戻ってきたり。

 

さて、半月前の8月後半ですが長年お世話になっているスタジオのピアノの整備に行ってきました。

コロナ渦において音楽業界は大打撃。

非常に苦戦を強いられる中、逆に言えばこんなときだからこそ楽器のメンテナンスに十分な時間が充てられるということで、いつもは調律(音律を整える)以外なかなか手が回らなかった作業をやらせていただきました!

 

よ~し、徹底的じゃなくテッテ的」にやるぞ(※1) ということで。

 

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スタジオさんからは許可は得たものの、あんまりパシャパシャ撮るわけにもいかず遠慮気味に撮影しました。 写真はないけど、ギター、ウッドベース、パーカッション、と使い込まれた楽器の数々がところ狭しと並んでおります。 ほんとかっこいい!

 

 

そういえば、

誰もいない静かな音楽室とか、スタジオというのは、独特の静寂がありますね。

こういう雰囲気を味わえる静かな幸せ。

 

f:id:scherzo_piano_tuning:20210910191331j:plainなーんて言ってないで、さて作業作業。

分かりづらいかもしれませんが、使い込んでいくうちフェルトハンマーの打弦位置が左右のどちらかにずれてしまい、極端にずれた位置に弦溝がついてしまいます。

3本の弦溝が均等に跡になっていなければならないのに、上の写真の弦溝は両方とも左にずれていますね。

 

ファイリング(フェルトハンマーの整形)、ハンマーの位置合わせ、

鍵盤だってよく見るとがたがたなのでこちらも調整するという入念な下準備の後に整調開始です。

 

列記すると、

♪ 下準備 ♪

   ・ハンマーの間隔・走り(斜めに走ってないか)・シャンクねじれ

   ・鍵盤のがたつき修正

   ・バランスピン研磨

 

♪ 鍵盤の作業 ♪

   ・鍵盤の間隔調整(フロントピン)

   ・バランスピン調整

   ・調整

   ・ナラシ(鍵盤の高さを均一にする)+アガキ(押した鍵盤の深さを均一にする)

 

♪ アクションの作業 ♪

   ・から直し

   ・ハンマーバックストップ

   ・接近(レットオフ)

   ・ダンパー・スプーン調整

   ・ダンパー総上げ調整

 

…等々。

列記したけど、ほかにも細かな作業がいくつか工程の中にあります。

これらの作業が終わってからようやく一音一音の音色を整える整音にとりかかります。

 

実は「調律」などピアノの作業でいえば氷山の一角。

普段の調律でなかなかここまでできるものでもなく、しっかりやってたら一日あっても足らないくらいなんです。 

午後2時から開始して気づけば夜8時。 ふー、時間が経つのが早い早い。

帰宅し、久しぶりに飲んだビールが美味しかった。

 

ピアノが3台あるスタジオさんなので、あとの2台は日を改めて作業させていただきました。 こだわりの持てる作業時間をご提供くださり誠に感謝! でございます。

 

 

※1 「テッテ的」 : これがわかる方は相当カルトな漫画好きの方。

            つげ義春ねじ式」からの引用でした~。

 

 

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畳のお部屋の敷板を交換しました。

長くお世話になっているお客様より、ピアノの置き位置が心配だというご相談を受けました。

 

詳しく聞くと、畳のお部屋にピアノを置いているのですが、敷板という長細い板の上に置いてあるだけで、わんぱく盛りのお孫さんが乗っかったりして、敷板からピアノが落ちて倒れたりしまいかと心配で心配で… とのことでした。

 

今お使いの敷板も言ってしまえばただ細長いだけの板。

くぼみもなく、たしかに激しい地震などでキャスターが動いてしまったりなど、心配すれば多少心細いものではありますね… ではどうしましょうか、とパンフレットを持ってきて防振対策製品をあれこれと相談しました。

 

参考までにご検討いただいた敷板と安全対策商品を掲載しておきますね。

 

       

 

 

 

 

 

 

 

 

 左から、

・単純な板状の「ピアノ用敷板」

・キャスター部分に四角くくぼみをつけた「敷板あんしんくん」 

・前側のキャスターを固定し、大地震の際には後ろ側が沈み込み、前側転倒予防構造の「ニューキャストップ」

 

※ ちなみに敷板やインシュレータなどはあくまで商品のお値段です。ピアノへの設置には工賃が発生しますのでご了承ください。  頑張ればお客様でもできなくはないけど、危ないからあんまり頑張らないことをお勧めします。 調律師さんやピアノ運送業者さんに頼むと ¥5,000~¥10,000- くらいかなぁ。 ピアノ調律スケルツォは取付だけなら¥3,000- で承ります。

 

 

・右側のは敷板とは関係ないけど、鍵盤蓋がゆっくり締まり指を挟む心配がなくなる

「ピアノ蓋ストッパー フィンガーガード」となります。

 

たかが敷板なれどお客様の目線に立ってみるといろいろあるものだなぁ、と考えさせられました。

 

結果、シンプルな窪みつきの敷板(敷板あんしんくん)に交換することとなりました。

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後日仕入れた「敷板あんしんくん」と、ピアノジャッキを携え交換に赴きましたが、これ、ほんとにシンプルで見栄えもよくいいですね。

ちなみにピアノ調律スケルツォは敷板やインシュレータの交換も承っておりますのでぜひお任せください(工賃はお問合せください)。

 

ちなみにグランドピアノでもOKでーす。

宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

運送のあいまにピアノのお掃除

 もう長くからお付き合いのあるC先生からのご依頼。

御親戚に預かってもらっていたアップライトピアノ音楽教室に持っていく、という内容のお仕事です。

 

搬出・搬入先に距離もあり、日程の都合上一日で作業できないということで、

御親戚宅 ➡ 倉庫 ➡ 音楽教室 への運送という段取りになりました。

 

いったん倉庫に入る、ということなのでチャンス!

別にそこまで頼まれたわけではないのですが、倉庫じゃないとなかなかできない思い切った清掃ができるのです!

だってエアガンとかブロワーとか、埃が舞い散る作業なんて一般の屋内じゃできないもんね!

 

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いやはや…、

だいぶ前に調律をしたことのあるピアノですが、10年くらいなにもしてなかったらけっこう埃がたまってましたー。

このサウンドスケープの裏側って掃除しづらいんですよねー、と思ってましたがそこは一昔前の私とはちがう! この部分のお掃除、地味な作業ながら得意になりました。

ましてやエアガンまであるんだもんね。

 

しかしいたるところに埃がたまっていてなんとも掃除のし甲斐があるピアノ。

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 ただ、ピアノの内部、棚板(鍵盤下)はそんなに汚くなかったですね。

手前ミソですが、ピアノ調律スケルツォは調律のたびにきっちり内部清掃してるので、弾かずに放置されていても中はそんなに汚れていませんでした。

 

しかしせっかく倉庫内作業ができるので、鍵盤のバランス・フランスホール、またアクションをエアガンで丁寧に埃を吹き飛ばし清掃いたしました。

 

ピアノをばらし、風通しのいいところで、

カビやら付着物やらを消毒しがてらふき取り、

金属パーツの錆がひどければ磨き、

アクションや鍵盤も細かく溜まったホコリを取り除いてちょっと天日干し。

ついでに調律工具やカバンの手入れもしたりして。

 

そんな作業が終えて清潔になったピアノの調律をするのは、ホント気分がいいものです。

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そうだそうだ忘れてた、

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 アップライトピアノのあるあるで真ん中のペダル(マフラーペダル)が緩むけど修理が大変… というのもピアノを倒せれば簡単に直せます!

 まぁ、ピアノを倒さなくても直せなきゃダメなんですが、せっかくアップライトピアノを倒す台があるので楽に修理しちゃいました~。

 

これでばっちりです。

C先生、音楽教室にお届けしてからの調律もどうぞよろしくお願いいたします。

 

コロナが明けたらまた飲みに行きましょ~。

お互いほどほどに !  (*´д`*)

 

 

    

 



 

セミ・オーバーホール YAMAHA G2  ④  我孫子市N様 完成!

相変わらずブログの更新が遅くなってしまい、すみません。

 

じつはもうN様ご新居への搬入も終わり、事後報告もいいとこなんですが続きを書いていきます。 N先生、ほんとにすみません… ( ノД`)… オロロロロ

気を取り直して報告の続き。

アクションを鍵盤と打弦機構とばらし、各々ファイリングや清掃をいたしました。

 

鍵盤とバランス・フロントピンの研磨。

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上の写真、左が作業前、右が研磨作業中の写真です。小口がきれいになっています。

 

 

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バフグラインダーを使って鍵盤の表面を研磨し、バランスピンも一本一本磨き入れをしていきました。 しかし、作業に夢中になり、すっかり研磨後のピカピカにしたピンの写真を撮るのを忘れてしまった!

ヽ(;´Д`)ノ

 

ピアノ調律スケルツォは、調律にお伺いする際、特に鍵盤の拭き上げ、バランスピン磨きに精をだします。 

弾き手が唯一触れるのが鍵盤。 これがよく見ると白鍵は奥の黒鍵との境目、黒鍵は側面がひどく汚れていて、ただこれを「綺麗」にする、それだけでとても弾き心地のよいピアノになるのです! 

こういう作業こそ大事にしなきゃいけないんだなぁ、と戒められる作業大事な作業で、長年続けていればこうしたことにもいくつか工夫が生まれたことが自慢です。

 

 

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話は変わりますが、我が家の洗濯機がぶっこわれ、急遽買い替えるハメに。 

ちょっと前には電子レンジにトースター、

その前は給湯器…、 

もう家電を買うためだけに働いてるのかと嘆きながら買い物に向かう車中でのこと。

 

軽い渋滞で、側道を走る自転車のアニキと抜きつ抜かれつを繰り返していたのですが、そのアニキ、髪型といいファッションセンスといい、あまりにアバンギャルドでエキセントリックでパンデミックだったのでおもわず写メしちゃいました。 

 

アニキ、吉野家さんへGO!

へそ出しルックで食す牛丼のお味はいかに。

食事もセンスもつゆだくが一番なのら!

 

本編に戻ります。

グランドピアノのクリーニング作業で一番大変なのは… なんといっても譜面台。

たいがいご自宅のグランドピアノは左側面を壁にぴったりつけているもので、ボディはそんなに汚れたり傷ついたりすることが少ないのです。

そのかわり、楽譜やペンなど物置替わりになるのが譜面台で、ここにつく傷が深いのでキズ消しが大変です。 

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 G2-製造番号70万台。

製作当時は蝶板の真鍮ネジがすべてマイナスで、しかも固着して外そうとするとネジが折れそうで怖い。

当時はネジ規格もあいまいで、いくら小さいマイナスドライバーでも入らないほどネジ溝が細い。

 

蝶板を交換するのが常ですが、さすがにこの度は…と凹みかけていたのですが、以前、こういう時のために削って薄くしたマイナスドライバーを駆使し、慎重にチビトンカチでコツコツ叩きながら外すことに挑戦しました…

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やったー!  ふぅ。 (写真を確認したら全部ピンボケですみませぬ)

一つもネジを折らずに外すことができましたぜ!

無事、新品に交換です。

むろんネジも新品に交換。

実際に演奏とは関係ない箇所ではありますが、ないがしろに作業すると思わぬ雑音の原因になってしまいます。

 

そんなこんなでピアノの磨き上げ・修理とすべての下準備が整いました。

この日はこれで終了。

 

翌日、整調(タッチ調整)、調律を施し、最後に整音をいたしました。

・ダンパー調整

・べディング(筬と棚板の密着)、

・鍵盤調整、・ナラシ・アガキ、・打弦距離、・レペティションスプリング、・ジャック位置、・レットオフ、ドロップ調整

タッチ調整と一口に言ってもこの作業工程は実に20以上。当然ながら88鍵すべてにそれを施し、均一にそろえていきます。 

調律(音律合わせ)はこの作業にくらべて氷山の一角です。

 

鍵盤は、オン・オフのスイッチではなく、弾き手の指先で音に色彩をあたえるもの。

ここに心血を注ぐことに日々過ごす調律師の一人として、末永くピアノを愛していただけるよう努め仕上げました。

 

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 一人で黙々と作業しているとついつい写真を撮り忘れてしまいます。

 

精一杯作業させていただきましたが、毎度ながら「ご満足いただけるかな」という不安がついてまわります。

そういう不安に苛まれるくらいなら妥協せず、

「他のひとだったらもっと綺麗に仕上げてる」とか、

「腕のいい調律師ならもっと丁寧に仕事をしてる」とか、

聞こえる心の声に立ち向かってただただ頑張り、もうここまでやれば悔いはない、というところまでやるしかありません。

 

…先日、ピアノの発表会に出場してきました。

人前でピアノを弾くというのは大変に緊張感の伴うことです。

こんな素人の演奏など誰が期待するわけでもなく、怖がることなどないのに、実際ステージにあがって、照明の中一人演奏をする「非現実」な空間。

いや、出番が近づくときが一番怖いかな。

膝、指が震え、いつもなら間違えるはずもない箇所でつまずこうものなら、なにをどう弾いていいのかわからなくなる恐怖といったらありません。

逃げ場もなく、取り乱すことも許されない場面を知っている人ならお分かりいただけるとおもいます。

あんな思いはしたくないなら方法は二つ。

練習を重ねて自信を構築するか、もう二度とやらないか、です。

 

お預かりして作業したピアノをお届けするときというのは「発表会の怖さ」と似た感覚が少しあります。本当にご満足いただけるのか、がっかりされたりしないのか、と。

 

毎度ながらそれも杞憂におわり、ご新居への引っ越しに合わせて無事に搬入させていただけました。 

 

N先生はピアノの先生。 

とっても素敵な音楽室でございました! 音響を考慮し、なんと壁は微妙な角度をつけて直角になってないとのこと。すごい。

かっちょよくて防音も完璧。 わたしはピアノの先にある窓からの風景が素敵で印象的でした。

素直にうらやましい。

 

運送・搬入で揺られ、ちょっと狂った音律を整えたら私の作業は終了。

ご主人もご一緒にお茶をいただき、音楽・音響にまつわる楽しいお話をおうかがいし、ついつい長いしてしまいました。

 

N様、この度はご依頼をいただきましてありがとうございました。

練習したいときはいつでも来て! というお言葉。

うれしかったです。

 

また次回の調律、よろしくお願いいたします!

 

 

 

セミ・オーバーホール YAMAHA G2  ③  我孫子市N様

引き続き3回目のご報告です!

 

前回まではヤマハ・G2のボディ側のクリーニング。

今回からはアクションの整調(タッチ調整)と整音(音色の調整)の下準備。

鍵盤のクリーニングとハンマーのファイリングです。

 

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まずはフェルトハンマーの状態。

長年弾き込まれて弦の溝が深く、滴状の形状も先端が平になっちゃってます。

よく御弾きになったピアノの宿命でもあります。

上の3枚のうちの右の写真をクリックして拡大してみてください

中音部の3本弦の溝ですが、本来は3本くっきり溝がつくはずですが、なんというか2本半の溝になってますね…。

1音に対して3本弦が張ってあるので、一つのフェルトハンマーで3本とも打弦させなければ本来設計された音量や音色が得られません。

 この方向でいえば、ハンマーを全体的に左側にずらしていかなければなりませんね。

 

ファイリングは埃も出ることだし、弦溝も深くしっかり削らないといけない。

そもそもアクション内部の埃もたまっていて、同時にエアガンで埃を吹き飛ばすため表で作業しました! 

今回は先にファイリング。 この手の作業は写真を撮りながらするのが難し~。

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一つ一つ成形し、整えていきます。

 後の作業で弦との位置合わせ、また整腸…じゃなかった整調(調律の専門用語)前の大事な作業なのです。

 

次にアクションと鍵盤を外して筬だけの状態に。

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なんとなくたまった埃が赤っぽいのがわかりますでしょうか。

これは鍵盤のブッシングフェルトという摩擦する部分が削れたためです。

よく使われてるピアノほどこの埃に赤みがかっています。