Piano cafe "Scherzando"     ピアノカフェ・スケルツァンド

ピアノ調律スケルツォの喫茶店。 お茶しながら ピアノと音楽の会話でくつろぎませんか。

一日再生調律 & サイレントユニット取付 ②  長野県 B様

さて、前回からの続きで

調律と整調を行い、ピアノのコンディションを整えてから最後にサイレントユニットの取付です。

 

 

この度ご注文いただきましたのは、

ニッシンエレクトロ社製のサイレントユニット・RB9000になります。

ピアノ消音ユニット ピアメイト RB-9000 - ニッシンエレクトロ (nissinel.co.jp)

 

東京都西東京市にある企業で完全日本製です。

産業展示会でお会いした技術者の方も丁寧に質問に答えてくださるのでとても安心です。

最近とても人気のサイレントユニットです。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし取付で問題が!

 

アクションの写真です。

ダンパーストップレール(赤いフェルトの張ってある横長の木材)の固定ネジが錆で固着している!

(しかも写真には載せてないけど、中央部も同様に錆びついていました)



サイレントユニットの消音バーを取り付けるある意味一番大事なパーツの取付ができないとはまったく話にならず、これには本当に頭を抱えました。

なぜか。

ちょっとドライバーで回そうとしただけでさび付いたネジ穴がつぶれてしまったからです。 うわぁ、どうしよう…t と嘆きつつ、そんなことよりほかの作業を進め、その間に解決策を考えようと淡々を作業を進めていましたが、ついにこの問題に取り組むべき時がきました。

 

解決方法

① アクションからブラケットをはずす

② ネジに潤滑剤(KURE556)を吹き付け、ネジ穴を柔らかくする

③ ネジ頭を延々と火であぶり、ネジを膨張させ穴を広げ、ネジを冷ます

④ 頃合いを見計らってバイスプライヤーで固着したネジを外す

 

調律師なら①をするとすべての整調が狂う恐れがあるのでやりたくない作業です。

しかし今回はそうも言ってられません。 

思い切って中音部と高音部側のブラケットを外し、上記②~④の作業を各々行いました。

 

見事成功!

よかった~。ほんとにほっとしました。

ブラケットを折ってしまったりしたらピアノは台無しですからね。

しかしバイスプライヤーなんで使ったの何年ぶりだろう。

 



そんな苦心をしつつ、無事サイレントユニットの装着、完了です。

 

前回写真を載せ忘れてしまいましたが、清掃のあいまにフェルトハンマーの先端に付着した弦溝の汚れを綺麗にブラシで清掃してあります。

音色も良くなりましたし、調律・整調とサイレントユニットも無事に取付け、あとは御納品日を待つばかり。

 

B様、どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。

 

 

 

♨ 番外編 ♨

 

1月の終わり、B様の御実家へお下見に行った際、

帰り際に銀行へ行く用事があったため、近くの駅前へ行きました。

 

私、ながらく千葉県民をしておりますし、八千代市へもよくお伺いはしておりますが、

八千代台駅』駅前商店街 というところは実は初めてでございました。

 

 

こんな大きなアーケードや駅前ビルがあったんだ…、と、

しょっちゅう近くを通っていたはずなのに知らない今まで知らなかった街に来た喜びをかみしめておりました。

 

 

最近聞くこともなくなった 地元・千葉県のFM局 Bay-FM のコマーシャルで

「ユア~エル~ム~♬ 〇〇時をお知らせします」 

というのがありましたが、

「これがあのユアエルムか!」 と一人感動に身を奮わせて…というほどでもなかったですが、ちょっと嬉しかったのは事実です。

しかしユアエルム、意外に広いのにはびっくり。

おかげでなかなかATMコーナーが見つかりませんでした。

 

2階のおもて広間にでると、ロータリーには京成の豆バスも走ってたりなんかして、なんだか少し時代の流れを感じました。

 

スケルツォの仕事のあいまのひと時でございました!

 

 

 

 

一日再生調律 & サイレントユニット取付 ①  長野県 B様

気づけば年明けから2ヵ月。

早いものです。

 

この度御依頼をいただきましたのが、なんと長野県の方。

御実家が千葉県八千代市ということで当方へお問合せくださり、まずは御実家へお下見へお伺いし、ピアノのコンディションをお話しして御依頼の運びとなりました。

 

 

B様、お待たせしました。

作業状況の投稿が遅くなりまして申し訳ございません。

 

ピアノのコンディションがよく、とことんきっちり磨き入れ! とまではしなくても、

出張版クリーニング作業の『一日再生調律』ということでお任せいただき、サイレントユニットの取付もご一緒に注文いただきました。

 

 

 

すべてが手磨きで清掃し、調律や整調と、きりのない作業時間を1日を区切りとするのが『一日再生調律』です。

 

とはいいつつ、お預かりしての一日再生調律は2日間かかったりしています。

 

 


まずはボディ全面の拭き上げと背面(音響板)の清掃。

そして、真鍮パーツ類の研磨です。

真鍮パーツとは、 

・天屋根や鍵盤蓋のまくりの部分の長い蝶番

・鍵や譜面台下のメーカーのロゴ

・ペダル

になります。

ここを光らせます。

 

 

 

御客様宅では絶対できないエアーガンでの埃を飛ばす作業。

これをするとたまにピアノ製作時のおがくずすら飛び出てくることがあります。

 

ピアノは大別すると

・ボディ(弦、音響板)

・鍵盤

・アクション

の三つになりますが、各々清掃し、埃をよく落とす。

錆やカビなど(今回はありませんでしたが)を見つけてはよく落としてピアノを組み立てるだけで、ピアノのコンディションは良くなります。

 



白鍵だけピアノにセットし、上面を拭き、

黒鍵はとくに側面に付着している汚れを落とします。

 

 

次回、サイレントユニットの取付をご紹介します。

セミ・オーバーホール STEINBACH SX-7 ③ 小平市 K様 完成!

投稿3回目。

K様、お待たせしました。

いよいよ完成です。

 

 

 

 

実際のところ、前回でほぼ作業は完了していたのですが、

この作業を承る前までのピアノ調律のブランクが相当長かったため、調律は狂い放題。

ほとんど半音落ち(ドレミファソラシドと弾くとシドレミファソラシ… というかんじ)の状態でした。

 

なので、まずは粗くでも音を上げ、ピアノを慣らし、そして精密な調律を施すということをいたしました。

 

最後の調律を兼ね、外装の小傷をタッチペンで修正させていただきました。

木目用のタッチペン、結構色の種類が豊富にありまして、その木目に合わせて混ぜて使ったりしています。

これでポコポコとした凹み傷が目立たなくなりました。

 

おっと、イスもしっかり直しておかないと!

 

 

 

最後の調律はお届けして、無事搬入が終わってからのものになりますが、

その前までに調律が狂いづらくなるよう下準備をしておく必要があります。

いい音色になりました。

 

K様、ちゃんと敷板(ピアノの下敷き板)、用意してありまーす。

お届けまで楽しみにお待ちくださいね!

 

追伸

 

お届け日が稀に見る悪天候と思われるため、一週間の延期となりました。

 

ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

 

 

 

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

 

      ピアノ調律スケルツォ ♪♪♪ 

         ホームページ   http://www.scherzo12.com/ 

  

          Add         〒277-0942 千葉県柏市高南台3-8 

          Tel          04-7157-4781

          Mail          mail@scherzo12.com

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

             

セミ・オーバーホール STEINBACH SX-7 ② 小平市 K様

引き続き 小平市 K様の STEINNBACH SX-7 の作業になります!

K様、更新が遅く申し訳ございません。

楽しみにしてくださってありがとうございます!

 

 

 

天屋根の裏側。

まくったところです。

細かくパーツをはずして磨いております。

 

 

パネル・アクションを外して鍵盤の整備です!

白鍵の上面磨き、黒鍵磨きをしました。

 

黒鍵の側面、ちょっと塗装が剥がれ、木目が見えてますね(左写真)。

木目に塗装を施しました(中と右写真)。

 

 

 

 

 

次いでアクションの整備とファイリングを施します。

演奏とは鍵盤を操作し、このアクション(打弦機構)が実際に弦を叩いて発音する構造になっております。

写真の真ん中。

わかりますでしょうか。

この滴状のフェルトハンマーが弦を叩くパーツ。

クリックして拡大してもらうと分かるともうのですが、しっかり弦の溝が各々についてます。

 

ピアノは弾けば弾くほど、フェルトハンマー弦の溝が深くなっていきます。

本来、滴状の弧を描いていた先端部分が、弦溝によって平になり、しかも硬化して音色が固く、伸びのない音色になってしまうのです。

(かと言って弾いていないピアノもそれはそれで弦や響板を振動させていないので響きの悪いピアノになってしまうのですが…)

 

可動部の整備と同時にファイリング(フェルトハンマーの整形)を施し、優しく、かつ強く伸びのある音色にしていきます。

 

とまぁ、ここからが調律師本来の仕事。

毎度のことながら一つ一つ集中して作業していると写真を撮るタイミングを逸してしまいます… 

でも、調律しながら自分の写真を撮る調律師っています? と開き直ったりして!

 

 

おっと、

ちゃんとイスもキレイキレイにしております!

ボタンにたまった埃を歯ブラシで落し、

逆さまにしてさらに清掃、オイル刺し、脚の固定ネジのまし締めをしております。

 

 

 

 

 

 

ピアノの保管のあいまに徹底清掃と調律  佐倉市K様

急に冬らしくなりました。

木枯らしが身にしみます。

 

この度ご紹介するのが、お部屋のリフォームに伴いピアノをちょっとだけ保管。

その合間にピアノをできるしましょう! ということで佐倉市K様のピアノを作業させていただきました。

YAMAHA の U30A 。  とてもいいピアノですね。

K様は本来、ピアノのクリーニング(セミ・オーバーホール)をご希望されていたのですが、リフォームでお預かりする期間は1か月半。 しかもお問合せを頂戴したのがもうすぐにリフォームが始まる、というタイミングで、事前のお下見もする余裕がなく、この度は残念ながら保管だけ… というながれでございました。

 

でも、U30Aというピアノの年代からして、よほど手直しが必要なほど傷んでいるならいざしらず、そこまでの作業をしなくても… と思っておりました。

お預かりして実際拝見したら、やっぱい状態のよいピアノでした。

 

なので、この度はバフ掛けなしではありますが、一日かけて徹底清掃&調整・調律をさせていただきました。

 



親板(側面のパネル)の外側・内側。
演奏上の状態は良好とはいえ、汚れは目立ちます。

おそらくピアノの右側面は壁にぴったりつけて置いてらしたのではないでしょうか。

また、内側はうっすらカビが付着していました。

きっちりお掃除しておきましたのでご安心を。

 

背面の音響板。

こちらはなぜか埃だまりは少なかったのですが、エアガンを吹き付けたらもうもうと埃が舞いました。

裏側とはいえ、音響板はピアノの命。

しっかりお掃除しておきました。

こういうお客様宅では決してできない清掃をするとほんっと気持ちいいですね。

 

アクション&鍵盤。

こちらもむろん清掃・拭き上げを施しております。

とくにアクションのフェルトハンマー。

このたびファイリングまでは行っておりませんが、

弦溝にたまった付着物(写真左)をしっかり落としておきました(写真右)。

これだけで落ち着いた音色に戻ります。

 

調律・整調をしてとりあえず本日終了!

ちゃんとペダルを磨いて、インシュレータ(キャスターの下敷き)も洗って椅子も綺麗に。

 

で、お届けまで埃がかからないよう養生してとりあえず完成!

 

でも、お届けして最後に調律を施してまでが本当の最後です。

 

K様、リフォームおめでとうございます。

ピアノ、楽しみにしてくださいね!

 

 

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

 

      ピアノ調律スケルツォ ♪♪♪ 

         ホームページ   http://www.scherzo12.com/ 

  

          Add         〒277-0942 千葉県柏市高南台3-8 

          Tel          04-7157-4781

          Mail          mail@scherzo12.com

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

             

 

 

セミ・オーバーホール STEINBACH SX-7 ① 小平市 K様

今年最初の投稿になります。

本年もよろしくお願いいたします。

 

このたびご紹介するのは、東京都小平市・K様より御依頼いただきましたピアノ・STEINBACH SX-7 になります。

 

最初お問合せいただいたとき、スタインウェイと仰ったので、これはまた随分高価なピアノをお持ちだこと…、 と驚嘆しましたが、よくよくお調べいただくと、スタインバッハという国産メーカーということが分かり安堵いたしました。 

 

お下見にお伺いしたときに撮影した写真です。

確かに、 ____ & SONS  とあれば間違えちゃいますよね。

 

 

 

 

 

とはいえこのピアノ、ボディは国産、アクションはドイツ・レンナー社製という非常に凝った作りのピアノであります。

 

ピアノの音色をつかさどるパーツは突き詰めると、 

 ① 弦    ② フェルトハンマー    ③ 音響板

の三つと言えます。この三つを良質な材料で作るかでピアノの音色の良しあしが決まる、といっても過言ではありません。

そのフェルトハンマー、ほかアクションパーツを長年製作している老舗がこのレンナー社になります。

 

ホームページがあったのでリンクを貼ります。

 

      レンナージャパン株式会社|HOME (renner.co.jp)

 

せっかくのアクションなので撮ったつもりだったけど、

毎度のことながら作業に熱中していたら修理中の写真しか撮影していなくて… 

K様すみません。

と、そんなわけではございますが、御実家:茨城県牛久市の御実家よりお引き取りしたピアノのクリーニング作業開始です!

 

 

当初、K様はピアノの内外装の汚れ(虫食いやカビなど)をたいそうご心配されていたように思います。

たしかに年数相応の埃はありましたが、虫食い・カビなどの発生はありませんでした。

ピアノの状態は非常に健全でございますので、まずはご安心を。

 

 

お、未だペダルに養生のビニールが。

これは外して綺麗に磨いておきますね!

 

続く

 

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

 

      ピアノ調律スケルツォ ♪♪♪ 

         ホームページ   http://www.scherzo12.com/ 

  

          Add         〒277-0942 千葉県柏市高南台3-8 

          Tel          04-7157-4781

          Mail          mail@scherzo12.com

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

             

 

 

セミ・オーバーホール YAMAHA U2F ②  松戸市Y様

さてさて前回からの続きです。

 

ヤマハ・U2Fの白鍵の小口交換&磨き入れ です。

 

写真を貼り、ご説明を…

 

と思いきや、作業に夢中になり写真を撮り忘れた!!!

といういつもの大失態  (;´д`)トホホ

 

 

 

… Y様、誠に申し訳ございません。

ただし、作業はしっかりしておりますのでどうぞご安心を。

 

 

とりあえず黒鍵の写真だけは撮っておりました。

 

左が作業前、右が作業後になります。

磨き入れ、側面の黒塗料の禿げを修正しました。

 

写真はないのですが、どんなことを考えて鍵盤を磨き入れしているのか綴りました。

 

ピアノ調律スケルツォが意識していること

 

弦楽器にしろ、管楽器にしろ、ほとんどの楽器は演奏者の体に密着しているものです。

 

ピアノという携行できない楽器は、演奏する際に鍵盤だけが唯一触れる箇所です。

そう認識すればこそ、鍵盤の磨き入れやガタツキ調整に深く意識がいくのも当然のことです。

 

鍵盤は上面のコンディションは当然ですが、側面(特に黒鍵)が大事です。 

側面のざらつきというのが弾き心地に影響があるからです。

 

ちなみにピアノのオーナー様はお気づきでない方が多くいらっしゃいますが、

黒鍵の側面というのはなにやら付着物やカビやらが発生していることが多々あります。

これでは弾き心地どころか衛生面に問題がありますので、お伺いした際の調律時に必ず拭き上げるようにしております。

 

この度お預かりに際し、白鍵の小口張替えはサービスとさせていただきましたが、直接演奏に影響はないものの、見栄えは相当に蘇ります。

 

弾き心地の良さもそうですが、綺麗に仕上げて「ピアノの練習しよう!」というお気持ちになるよう努めるのも調律師の仕事です。

 

その小口の張替えに伴い、白鍵の側面も軽く研磨しております。

いわゆる「きわぞり」という作業です。

一般的には 120~240番の中目で仕上げられているとおもいますが、私はそれより1~2番手上の280~400番で仕上げるよう努めております。

ただし、やりすぎは禁物。

いくら汚れが深くしみ込んでいようと適当に仕上げないと削りすぎ、鍵盤の隙間が広くなってしまいます。

 

はるか昔、そんな失態を犯したことも懐かしくおもうほどになりましたが、年数を重ねるにつれ、この作業に重みを感じるようになった次第です。

 

というわけで次回作業時には綺麗になった白鍵の写真をアップするよういたします。

 

(アクションのオーバーホールの写真になります)


 

今回は文章ばかりになってしまいましたが、次回は内部調整(整調・整音・調律)の作業について報告いたします。

 

御届けが年明けになりますので、そのころ合いを見計らって作業いたします。そのためだいぶ先になりますが楽しみにお待ちください。

 

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■

 

      ピアノ調律スケルツォ ♪♪♪ 

         ホームページ   http://www.scherzo12.com/ 

  

          Add         〒277-0942 千葉県柏市高南台3-8 

          Tel          04-7157-4781

          Mail          mail@scherzo12.com

  

   ■■|■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■ |■■■|■■|■■■|■■|■