今回は外装みがき。
ご実家でピアノカバーをかけて保管されていたので、ひどい傷はないのですが、
やはり経年における多少の傷はございました。
まずは屋根の研磨から。
普段手をいれることのない大屋根の裏側。
写真写りが悪いですが綺麗に磨き上げました!
屋根を外し、
弦とチューニングピンの磨きです。
しかしこのピアノ、その名のとおり全長が210cmあります。
やはり作業してみると大きい。
今回は外装みがき。
ご実家でピアノカバーをかけて保管されていたので、ひどい傷はないのですが、
やはり経年における多少の傷はございました。
まずは屋根の研磨から。
普段手をいれることのない大屋根の裏側。
写真写りが悪いですが綺麗に磨き上げました!
屋根を外し、
弦とチューニングピンの磨きです。
しかしこのピアノ、その名のとおり全長が210cmあります。
やはり作業してみると大きい。
ディアパソン・210E。
内外装の磨き。
アクションを外して整備します。
一口にアクションをいっても大別すると、
・アクション
・鍵盤
・筬
の三つ。
これがひとつになっております。
このピアノ、ちょっとめずらしいシュワンダーアクションという方式です。
まずは鍵盤。
象牙の表面が汚れとともにかさついていました。
せっかくなので漂白し、表面を研磨させていただくことにしました。
この状態で一日天日干し。
半紙を介してオキシドールを塗布しております。
たまに注意ながらオキシドールを拭きつけます。
同時進行で筬の作業。
鍵盤そのものの可動を支えるのはフロントピンとバランスピン。
この両方を根元から磨くことで鍵盤の動きがスムーズになり、タッチ整調の第一工程といえる大事な作業です。
鍵盤の円滑で均一な可動を整え、そして整調を施す。
製作時(もしくはハンマー交換時)には、そこから鍵盤の側面にキーレット(鉛)を打ち込み、
アップウェイト(押し下がる重さ)
ダウンウェイト(鍵盤が持ち上がる強さ)を整えます。
このたびはそこまでの作業をしませんが、ピンを磨き、鍵盤側のピンホールを調整すれば相当にタッチはよくなるはず。
最初指弾したとき、タッチがかなり重めに感じました。
ピン磨きに加え、整調でどこまで変わるかが楽しみです。
ハンマーのファイリングを施し、
象牙鍵盤、黒鍵も磨き、筬にはめこんでいきます。
今回はディアパソンのグランドピアノです。
ピアノメーカー・「ディアパソン」
名工・大橋幡岩氏の設計のもと、その第一作がディアパソンというピアノです。
大橋幡岩氏はそれ以前にもホルーゲルというピアノや、
後にはオオハシモデルの製作など、常に高い理念・思想のもと、ピアノ製作に携わっていました。
その思想と技術を受け継いだメーカー、「ディアパソン」。
”210-E”という名のとおり、サイズが210センチという、グランドピアノにしても大柄です。
ちなみによく見かけるグランドピアノは、たいてい180センチ。
それより30センチというと
GPでも大柄で、しかも象牙鍵盤のピアノを作業させていただきます。
稀にあることなんですが、
ピアノを購入した数十年前は空き地だったお隣に住宅が建ったり、
道が狭くなって運送用のトラックが入らなくなったり、
ご自宅の一部を改築があったりなど、環境が変わったためにピアノを家からだすことが不可能になっている…ということがあります。
同様に、お届け先のお家にもすんなり入るかという問題。
グランドピアノは恐らく家財道具でも一番大きなものでしょうから、移動は大変です。
なので、ピアノ運送の社長と搬出・搬入ができるか下見にお伺いしました。
多少難航しそうですが、さすがはピアノ運送一筋の社長!
搬出・搬入を請け負ってくれまして、見事に工房まで運びいれてくれました!
さてさて、続きは次回へ!
前回からの続きです。
ピアノを倒しての作業。
やはり角度を変えてみると、きれいにしたつもりでも磨き残しがよくわかります。
横にしたところで塗装面を再度みがきます。
↓ チューニングピン。 本来はきれいな鍍金ピン。
このチューニングピンどうしで叩くときれいな鈴の音のように響きます。
きれいに磨きあがりました!
でも写真写りがよくない…( ノД`)…
まあ、そんなことはさておき、マフラーフェルトや鍵盤押さえのフェルト張替えです。
ひととおり磨き修理を終えて、
ここからが調律師としての真骨頂!
整調と調律でございます。
最近、お預かりして作業を終えたピアノ、
これがどういうわけか出て行かず溜まってしまいました。
作業スペースが狭まっている! …Σ(゚д゚;) !?
とまぁうれしい悲鳴でもありますが、
出荷まえの再確認が気になって気になってしかたありません。
再度チェックをすると、必ず調整した箇所の狂いが気になり始め、気付けば調律しなおしたりしております。
そんなピアノに囲まれて深夜。
弾き比べをさせていただきました。
同じように仕上げたつもりでも、静まり返った真夜中に弾き比べてみると、やはり一台一台の違いがよーくわかります。
お客様のピアノを勝手に弾いて…
というか、弾き成らすことも大事な作業で…
なにを書いているのかよくわからなくなっちゃいましたが、
とにかく私にとって珠玉の時間です。
ここのところ忙しさにかまけ、作業をアップロードしていなかった…。
I様、お待たせしてほんとうにすみません。
昨今はというと…近隣の市のイベントの調律をお任せいただき、そんなこんなで奔走しておりました。
街に音楽があふれ、そんな活気ある中、ささやかながらお手伝いできたというのは調律師冥利につきるというものです。
さてさて、お預かりしているUX1のセミ・オーバーホールです。
いつもと違い、作業途中からの写真でございます。
すっかり秋めいてきました。
猛暑の夏から、天候不良が続き、残暑をかんじる間もなかった気がします。
作業のあいま、ふと表にでると、木の枝にトンボも休憩しておりましたので写真に撮りました。
さてさて、お預かりしたU3H。
一通り、整調・調律を終え、気になるところを整音をいたしました。とりあえず終了!
あとはお届け前・出荷前にもう一度細かくチェックをいたします。
それと……
ピアノと一緒にお預かりしたイス。
背もたれがあり、座面の上下が片手で容易にできるこの「トムソン椅子」。年季がはいってます!
お客様はお買い替えをご検討されましたが、
どうせ処分するのなら、どこまで直るか試してからにしよっかなぁ…、
などと思ってたら体が先に動いてました~。 塗装と修理です。
スプレーガンで塗料を噴く。
ガンというのは円状ではなく、線状に噴射します。
なので、
ー に噴霧するなら 上下方向に
| に噴霧するなら 左右方向に
均等に噴いていくことで面状にきれいに塗装されていきます。
が、間違って、ー方向を⇔に噴いてしまうと、液ダレするほど部分的にたっぷり噴き付けてしまいます。
それがこの状態。
あちゃー ( ノД`)…
イスの脚みたいに縦横のものを噴くとよくやる失敗です。
みっともない液ダレ。
下手にふき取ろうとすればすべてが台無し。
これが塗装の難しいところですが、これをどう直すかというと…
何日か寝かせ、塗装が完全に乾いた後、
マスキングテープを貼り、その上からあて木で出っ張った塗装の凹凸を削ります。
そのあとコンパウンドで磨くという寸法でございまする~。
イスもピアノの大事な一部。
今回はイスの塗装もしてみました。
これにて一旦終了。
お届けの日までどうぞ楽しみにお待ち下さいませ。
先回からの続きです。
ごらんくださいませ。
このマフラーフェルト。
弦を打つハンマーフェルトの間に暖簾のようになっているのが、
アップライトピアノの真ん中の弱音ペダル。
踏んでロックしたら、弦とハンマーの間にこれが下がり、弱音させる構造です。
虫喰いではありません。
よく写真を見ていただくとわかるのですが、敗れているところ、四角く破れるのです。
夜にこの弱音ペダルを使って練習に励まれると、このフェルトがボロボロになります。
その割にハンマー自体の弦溝はそれほど深くない。
夜にしか弾けない中、一生懸命練習なさっていたのでしょうね。
以前に調律をお任せいただいたのですが、
その際、『次高音あたり一箇所、弱音が利かない』とおっしゃってました。
工具鞄に入れてるイスの足に張るフェルト、
といってもキーカバーを切って両面テープを貼っただけのものですが、これがけっこう重宝ものなんです。
本来とは違う使い方ではありますが、当時はこれで対処いたしました。
…しっかし (´Д`;)・・・
…すっかり忘れていました。 確かに弱音はしますけど、あらためてこうして写真で撮るとなにやら恥ずかしい…
速攻で交換!
この作業をするときってなぜだか心落ち着きます。
きまって夜だし、一通りのクリーニング・修理の終了でもあるからです!
順序が逆ですが、日中は、アクションの整備+サイレント機能の取付でございました!