9月の暑さを「残暑」と言っていたのも、もう過去の話のようです。
9月下旬になり、ようやく猛暑が和らきました。
この度作業させていただきましたのが、 YAMAHA・U2F になります。
実家にも同じU2Fがあります。
そのピアノは私と同い年だし、どこか思い入れがあるモデルです。
ヤマハのピアノが世の中の7割を占め、そのアップライトピアノは
1型(U1系: 高さ 121㎝) と 3型(U3系:高さ 131㎝) と大別されます。
メーカーが違っても、業界では 1型(120㎝前後)とか2型(130㎝前後)という言葉がよく使われているようです。
そのどちらでもない U2F(高さ127㎝)、
実はお目にかかる機会が少ないピアノなんです。
さて、この度Y様より御家の御建て替えに伴い、保管と兼ねてしっかりクリーニングを、ということでお任せいただきました。
まずは分解する前に外装、とくに背面のチェック。
清掃はもちろん、音響板の状態と駒を支えるネジの増し締めを先に行います。
グランドピアノは演奏時には大屋根を開けますが、
アップライトピアノはまずそういうことはしません。
スタジオ等、よほど通な方が下前パネルを外して演奏するがありますが、
一般的には発音する部分を密閉している、考えればなんとも不思議な構造です。
なので、壁に合わさる背面側(音響板)が一番音が大きく響きます。
いわばピアノのスピーカーを果たす部分。
そう思うと清掃も丁寧にならざるを得ません。
パネルを外して内部。
親板(側面のパネル)の内側ですが、うっすらカビが発生しています。
しっかり清掃しておきますね。
工房内は直射日光があたらず風通しも良いので保管にも打ってつけです。
(写真をクリックすると大きくなります)
ピアノの発音を担うアクション。
実は先にアクションのオーバーホールを済ませております。
本来、劣化破損したフレンジ(バットスプリング)コードの交換が目的ですが、
どうせ分解・交換するなら、
・ハンマーのファイリング(打弦面の修正による音色調整)
・ブライドルテープの交換張替え
・ダンパーロッドの研磨およびゴムパッキンの交換
・バットスプリングおよびダンパースプリングの調整
・ハンマーストップレールクロスの張替え
・各部ネジの増し締め
・センターピンのズレの修正
・摩擦部(ウィペンヒールやバットスキン、ジャックの先端等)へ潤滑粉の塗布
etc…
フレンジコードの交換は、掘り起こすと付随する項目が多いので、ピアノ調律スケルツォでは「アクションのオーバーホール」と呼ぶこととしました。
虫食いがあればダンパーフェルトの張替えも行いますが、そこまでではなかったのでこの度はそのままとさせていただいております。
次いで鍵盤の作業です。
一枚ピンボケでごめんなさい。
次回は鍵盤の磨き入れ、小口交換について報告いたします!
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