Piano cafe "Scherzando"     ピアノカフェ・スケルツァンド

ピアノ調律スケルツォの喫茶店。 お茶しながら ピアノと音楽の会話でくつろぎませんか。

セミ・オーバーホール YAMAHA G2  ③  我孫子市N様

引き続き3回目のご報告です!

 

前回まではヤマハ・G2のボディ側のクリーニング。

今回からはアクションの整調(タッチ調整)と整音(音色の調整)の下準備。

鍵盤のクリーニングとハンマーのファイリングです。

 

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まずはフェルトハンマーの状態。

長年弾き込まれて弦の溝が深く、滴状の形状も先端が平になっちゃってます。

よく御弾きになったピアノの宿命でもあります。

上の3枚のうちの右の写真をクリックして拡大してみてください

中音部の3本弦の溝ですが、本来は3本くっきり溝がつくはずですが、なんというか2本半の溝になってますね…。

1音に対して3本弦が張ってあるので、一つのフェルトハンマーで3本とも打弦させなければ本来設計された音量や音色が得られません。

 この方向でいえば、ハンマーを全体的に左側にずらしていかなければなりませんね。

 

ファイリングは埃も出ることだし、弦溝も深くしっかり削らないといけない。

そもそもアクション内部の埃もたまっていて、同時にエアガンで埃を吹き飛ばすため表で作業しました! 

今回は先にファイリング。 この手の作業は写真を撮りながらするのが難し~。

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一つ一つ成形し、整えていきます。

 後の作業で弦との位置合わせ、また整腸…じゃなかった整調(調律の専門用語)前の大事な作業なのです。

 

次にアクションと鍵盤を外して筬だけの状態に。

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なんとなくたまった埃が赤っぽいのがわかりますでしょうか。

これは鍵盤のブッシングフェルトという摩擦する部分が削れたためです。

よく使われてるピアノほどこの埃に赤みがかっています。